全 情 報

ID番号 04265
事件名 仮処分申請事件
いわゆる事件名 明治乳業事件
争点
事案概要  本部役員の反対を無視しかつ機関決定を経ない、いわゆる山猫ストを指導したとして組合支部長が懲戒解雇された事例。
参照法条 労働組合法8条
労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動
裁判年月日 1969年10月28日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和41年 (ヨ) 2281 
裁判結果 一部認容,一部棄却
出典 労働民例集20巻5号1415頁/タイムズ242号225頁
審級関係
評釈論文 秋田成就・労働法学研究会報843号1頁
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-違法争議行為・組合活動〕
 本件についてみるに、申請人Xの昭和四一年一月二六日の行為(第一、二、2)及び申請人らの同月二九日午前中の行為(第一、二、3(二)、(四))は前述のとおり違法ではあるが、懲戒解雇理由としては未だ軽微なものであるところ、同日午後の行為(第一、二、3(五)(六))は決して軽微なものではなく、殊に申請人Xは、組合本部から事前に、早退届を出して抗議するのは妥当でないと言われていたのに、支部組合員に対してはこれを秘し、剰え、「早退することは組合本部にも連絡済みだから心配するな。早退届を出さない者は春闘の落伍者と看做す。」などと言つて支部組合員を指導、煽動して、職場放棄をなさしめ、強引に違法なストライキを行わしめたものであつて、前述のとおり、その動機において酌むべき点があるにしても、なお、その情は極めて重く、懲戒解雇されてもやむをえないものというべきである。申請人Xが活発な組合活動を行つてきた者であることは前認定(第一、二、1)のとおりであるが、同人のなした行為が右のとおりである以上、会社が同人の組合活動を嫌悪したが故に本件解雇をなしたものということはできない。従つて、申請人らの主張する本件解雇の無効原因は、申請人Xに関する限り、いずれも理由がないものというべきであり、結局、申請人Xに対する本件解雇は有効である。