ID番号 | : | 04268 |
事件名 | : | 免職処分無効確認事件 |
いわゆる事件名 | : | 全逓労組事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | いわゆるレッドパージにより免職処分とされた者がその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法3条 日本国憲法14条 日本国憲法19条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 均等待遇 / 信条と均等待遇(レッドパージなど) |
裁判年月日 | : | 1969年11月15日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和34年 (行) 108 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 訟務月報16巻2号180頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労基法の基本原則-均等待遇-信条と均等待遇(レッドパージなど)〕 以上(一)ないし(三)の各事実を総合すると、原告X1、同X2に対する本件免職処分は、前記連合国最高司令官の指示にもとづき前記閣議決定の方針に従い、共産主義者ないしその同調者であり、右閣議決定の如き秩序をみだしまたはみだすおそれがあることを理由として(免職処分に関する書面上理由の記載がその意をつくしているか否かは処分の効力にこの場合関係がない。)なされたものであると認めるに足りる。 被告は右閣議決定の方針にもとづき、実際に行われた各個の免職処分は、日本共産党員及びその同調者であることが明確とされた者については、その日常における具体的活動の有無、内容のいかんに拘らず、これを排除することを主眼として行つた旨自認するが、上来認定の如き閣議決定方針及び了解の内容に関する主張立証等本件弁論の全趣旨に照すと、被告らの右自認は結局、「日本共産党員ないしその同調者であることが明確となつた者は、具体的行動の存否、内容が必ずしも明確でなくとも、閣議決定にいわゆる『秩序をみだりまたはみだすおそれがある』という要件が推定によつて認められるものとして各個の処分を行つた。」というに帰するものと解される。 そして、このような場合は、日本共産党員またはその同調者であることのみを理由としてこれを排除したものではないから、仮りに前記最高司令官の指示の点を除外して考えても原告ら主張のような憲法第一四条、第一九条、労働基準法第三条等違反の違法があるものではなく、また個々の処分において前記推断に誤りがあつても、それは該処分取消の原因となり得るに止まり、当然無効の原因となることはないといわなければならない。けだし、その推断の誤りは右処分につき重大な瑕疵ではあるけれども、明白な瑕疵ということはできないからである。 (五) それ故、右原告らに対して行われた本件免職処分が当然無効であることを前提とする同原告らの本訴請求は、被告の予備的抗弁その他の争点につき判断するまでもなく理由がないので棄却を免れない。 |