ID番号 | : | 04282 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 小野田セメント事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 公職選挙法違反により起訴されたことを理由とする懲戒解雇につき、就業規則にいう「犯罪があって、その情状の重い者」には当たらないとされた事例。 ストライキ中の出荷阻止行為を理由とする組合役員に対する懲戒解雇につき、就業規則所定の懲戒解雇事由には該当しないとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 政治活動 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 有罪判決 |
裁判年月日 | : | 1968年2月27日 |
裁判所名 | : | 大分地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和40年 (ヨ) 189 |
裁判結果 | : | 一部認容,一部却下 |
出典 | : | 労働民例集19巻1号165頁 |
審級関係 | : | 控訴審/福岡高/昭45.10.18/昭和43年(ネ)128号 |
評釈論文 | : | 窪田隼人・月刊労働問題126号102頁 |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-政治活動〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-有罪判決〕 飜つて本件をみるに、申請人らの前記認定事実のとおりの行為がたとえ公職選挙法第一四二条の文書図画頒布の規定に違反する犯罪行為たることの前提に立つても、申請人らの右行為は労働組合の政治活動の一環としてなされたもので、その従業員としての職務とは無関係であり、また被申請人会社の企業にも直接関係する行為でもないのであるから、これをもつて直ちに客観的に被申請人会社の企業秩序乃至は生産性の侵害に帰納せしめることはできないと解される。 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-違法争議行為・組合活動〕 従つて、本件ピケツテイングについてもそれが言論による説得ないしは団結の示威の範囲を出でないものと解されるから、これをもつて違法とすることはできない。 (ニ) 以上のとおり本件出荷阻止に関する争議行為は違法と認めるべき証拠がないから、申請人らは被申請人が指摘する就業規則第五八条第五号、第八号及び第九号に該当する者ということは出来ない。 |