全 情 報

ID番号 04343
事件名 雇用関係存在確認請求事件
いわゆる事件名 社団法人産経倶楽部事件
争点
事案概要  女子従業員が平素の反抗的態度を理由に解雇されその効力を争った事例。
参照法条 労働基準法89条1項3号
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度
裁判年月日 1967年7月26日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和40年 (ワ) 10326 
裁判結果 認容
出典 時報497号63頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇事由-勤務成績不良・勤務態度〕
 4 およそ、使用者側と労働者との間に感情的な行きちがいが存する場合においてその理由を問わないまま労働者の解雇をもって事態を解決することは許されるところでない。本件において隠れた感情的行きちがいが一挙に表面化し原告X1の右発言に至った主因がA即ち使用者側の暴行に存することは重視さるべく、同原告の右当日の行動の態様及び影響等が前示の如くである以上、同原告の従前の行為を考慮してもなお同原告に対する解雇の意思表示は恣意的であり権利の濫用として無効である。
 原告X2は原告X1と異り会員に対しA非難の発言をしていないからこれよりも責むべき点は少く、同X3、X4も同様解雇に値するような所為に及んでいないから、これらの原告に対する解雇の意思表示もまた権利の濫用としてとうてい効力を生じない。