ID番号 | : | 04367 |
事件名 | : | 雇傭関係存続確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 小糸製作所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 会社の物品搬出を阻止し、会社の製品を奪取隠得等するなど違法な争議行為を企画、決定し指令したとして組合三役が懲戒解雇されその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 労働組合法8条 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒手続 |
裁判年月日 | : | 1966年2月26日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和33年 (ワ) 9689 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働民例集17巻1号81頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-違法争議行為・組合活動〕 (ハ) 争議中であつても、会社職制等に対する暴力の行使ないしは会社施設備品等の破壊、毀損等は争議行為としても許されないというべきであるから、右(イ)、(ロ)の行為を除くその余の行為は、原告らが主張するように争議中通例とられる正当な争議行為ということはできない。 (五) 原告らが本件争議当時組合三役の地位にあつたことは当事者間に争いがないから、前記認定の事情からすれば、原告らは組合幹部として前記の違法な争議行為を企画、決定、指令したものと推認され、X1およびX2はみずからも一部実行したことは前記認定のとおりであるから、原告らは右の限度においてその責任を負うべきであり、就業規則に定める懲戒についても免責を得られないものと解すべきところ、原告らの右行為はいずれも就業規則第六六条第二号「職場の秩序を紊したとき」、第三号「正常な業務を妨害したとき」の各懲戒解雇事由に該当するものと認められ、したがつて本件解雇の意思表示は有効であるから、この点に関する原告らの主張は採用することができない。 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒手続〕 (3) 原告らは第五回以後の委員会に出席しなかつたのは正当な理由によるものであるとも主張するが、運営規定が前示のとおり有効なものであり、しかも会社側は前記認定のとおり組合に対し第九回までおよび最終回の委員会の開催については事前に通知し、組合側委員が何時でも出席できるような処置をとつていたのであるから、同人らがこれに出席しなかつたことは故なく委員会における審議権を放棄したものというべきであり、第五回以後の委員会が会社側委員だけで運営されたとしても、手続違背として責められるいわれはない。 |