全 情 報

ID番号 04373
事件名 解雇無効確認等請求事件
いわゆる事件名 日本電信電話公社事件
争点
事案概要  電話交換手が通信の秘密を侵したとして懲戒解雇された事例。
参照法条 労働基準法89条1項9号
公衆電気通信法5条
日本電信電話公社法33条
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 守秘義務違反
裁判年月日 1966年4月15日
裁判所名 京都地
裁判形式 判決
事件番号 昭和38年 (ワ) 863 
裁判結果 棄却
出典 訟務月報12巻6号868頁
審級関係 控訴審/01733/大阪高/昭42.12.25/昭和41年(ネ)665号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-守秘義務違反〕
 公衆電気通信法第五条第二項や就業規則第八条等の規定が保護しようとする「通信の秘密」とは、通信の内容は勿論誰から誰への通信であるとか、通話の存在自体をも意味するものであり、通信の秘密を「侵す」とは、これらのことを他人の知りうる状態におくことや、積極的に知得することを意味するのであるから、前記二項で認定した(1)ないし(3)の原告の各行為はいずれも右法条に規定された「通信の秘密」を侵したものであつて、公衆電気通信法第五条および被告の就業規則第八条に違反し、日本電信電話公社法第三三条、就業規則第五九条第一号第一二号に該当し、原告には懲戒事由があるものと言わねばならない。然も右(3)の行為は、通常不特定の人が出入りし、興味本位で種々なことが語られる美容院で為されたものであるから、その情は極めて重く懲戒免職の事由に該当するものと考えられる。従つて原告の右(1)ないし(3)の各行為を理由に被告のした本件懲戒免職処分は理由があり、適法有効である。