ID番号 | : | 04375 |
事件名 | : | 災害補償金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 岡山労基署・石材業者事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 石材業者に使われていた石工の事故につき労基法八六条の審査請求があった場合における災害補償請求権の時効消滅が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法9条 労働基準法115条 労働基準法85条 労働基準法86条 |
体系項目 | : | 労基法の基本原則(民事) / 労働者 / 労働者の概念 雑則(民事) / 時効 |
裁判年月日 | : | 1966年4月22日 |
裁判所名 | : | 最高二小 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和40年 (オ) 110 |
裁判結果 | : | 上告棄却 |
出典 | : | 民集20巻4号792頁/時報448号59頁/タイムズ191号84頁/裁判集民83号317頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 窪田隼人・民商法雑誌55巻6号996頁/瀬戸正二・法曹時報18巻6号127頁/石川吉右衛門・法学協会雑誌84巻4号554頁 |
判決理由 | : | 〔雑則-時効〕 同法八五条の審査の申立と同法八六条の審査の請求との関係は、訴訟における上訴と異なつて、申立期間の定めが規定されておらず、したがつて審査決定の確定という観念もないから、これを一体とみて同法八五条による時効中断の効力が同法八六条の手続終了に至るまで続いていると解するのは相当でない。しかし、同法八六条の手続は同法八五条の手続と類似の性質を有するから、時効の中断に関する同法八五条五項の規定は、同法八六条の手続の場合にも類推適用されるものと解するのが相当である。けだし、このように解しないと、同法八六条の手続中に二年の時効期間(同法一一五条参照)が満了し、審査の対象になつている災害保償請求権そのものが消滅してしまうという不合理な結果が生ずることになるからである。されば、本請求権につき消滅時効が完成していない旨の原判決の判断は、その理由はともかく、結論において正当であり、論旨は採用に値しない。 〔労基法の基本原則-労働者-労働者の概念〕 原判決の、上告人と被上告人の間に使用者と労働者の関係が存する旨の判断は、その認定している事実関係に照らして是認しえなくはない。 |