ID番号 | : | 04398 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 荏原実業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 掲示には責任者のサイン等を行なう旨の合意があるにもかかわらず、これを欠く文書が掲示され、その撤去を求めた会社の管理職に対する無能呼ばわり、抗議行動を理由として組合書記長が解雇された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 労働組合法7条3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 業務命令違反 |
裁判年月日 | : | 1966年12月22日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和41年 (ヨ) 2308 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働民例集17巻6号1451頁/タイムズ205号182頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-業務命令違反〕 会社の本店総務部管理課長Aが会社を代理して昭和四一年七月一一日嶺町工場において債権者に対し右文書二枚の撤去を求めたことは争がない。しかし文書掲示が組合の正当な行為である以上文書撤去を求める会社の通告は組合運営に対する介入であつて、労働組合法七条三号に該当し労働法の公序に違反する。 5 債権者の抗議 債権者が右撤去要求に従わず、しかもこれに対し再三A課長を冷笑しかつ無能呼ばわりをし、荒々しい態度を示し、債権者において反省し又は謝罪する必要はないと主張する等会社に対して反抗的態度を示したとしても文書撤去を求める会社の通告は無効であるから債権者がこれに従わないのは当然であり、又右通告が組合の運営に対する会社の介入である以上、債権者がこれに対し抗議をすること自体は組合役員としての職責上当然な行動である。従つてその過程において債権者が会社の主張するような態度をとつたとすればその一部分は粗暴かつ非礼とのそしりを免れないけれども、こゝに至るまでの経過を併せ考察するときは、これをもつて就業規則第四七条(6)にいう懲戒事由の一たる「職務上の指示命令に不当に反抗し、職場の秩序をみだしたとき」(このような就業規則が存在することは争がない)に該当すると評価することはできない。 |