ID番号 | : | 04411 |
事件名 | : | 懲戒処分取消等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 大宮市事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | いったん取り消された業務命令拒否を理由とする懲戒免職処分につき、再び同一の処分をなしたことが違法ではないとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 地方公務員法29条1項 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反 |
裁判年月日 | : | 1965年3月24日 |
裁判所名 | : | 浦和地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和38年 (行) 1 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 行裁例集16巻3号508頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕 原告は、被告大宮市長は原告に対し一旦懲戒免職処分を行い、これを取消しながら、取消の翌日に同一理由により再び懲戒免職処分を行つたものであつて、右は原告の地方公務員としての身分喪失中に決定された違法があり、かつ一事不再理の原則または行政行為の不可変更性の原則に違反すると主張するので、この点について判断する。成立に争いのない甲第二、三号証によれば、本件懲戒免職処分は、処分発令年月日、処分効力発生年月日及び処分説明書交付年月日がいずれも昭和三七年一一月一六日であることが認められ、さきの懲戒免職処分取消(昭和三七年一一月一五日、この取消により初めより右免職処分はなかつたことになる)の後になされたことは明らかで、本件懲戒免職処分が原告の地方公務員としての身分喪失中に決定されたという原告の主張はその前提を欠いている。また行政庁がその処分をひとたび取消したからといつて、再び同じ処分をすることが、一事不再理の原則もしくは行政行為の不可変更性の原則に照らし、常に違法であるとはいえないのであつて、別紙第一の処分理由と別紙第二の処分理由はその重要部分において重なり合うものであるが、別紙第二において処分理由を一層明確にしたに過ぎないものと認められ、さきの懲戒免職処分を取消(この取消は妥当ではないが)して新たに本件懲戒免職処分をしたことに少くとも違法の点は認められない。 |