ID番号 | : | 04515 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 大興電機製作所事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 解雇された労働者が賃金の支払と同人の就労妨害禁止の仮処分を申請した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 就労請求権・就労妨害禁止 |
裁判年月日 | : | 1953年3月18日 |
裁判所名 | : | 宇都宮地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和28年 (ヨ) 14 |
裁判結果 | : | 一部認容,却下 |
出典 | : | 労働民例集4巻1号11頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働契約-労働契約上の権利義務-就労請求権・就労妨害禁止〕 按ずるに申請人等主張のように申請人X1外八名(X2を除く)が、その労働組合に於てその主張の地位にあること解雇通知のあつたことは、当事者間に争ない。而して被申請人の疏明によると被申請人は経営上の危機に直面し、経営合理化のため人員整理の必要あり、被申請人はその主張のような解雇の基準を定め申請人等は之に該当するものとして解雇したもののように一応見られる。然し申請人の疏明によると、申請人X1、X3、X2、X4、X5、X6、X7、X8、X9、X10は昭和二十七年末の越年資金獲得闘争委員会の委員として活躍したこと、その他の申請人等も組合運動を熱心に推進し来たこと、昭和二十七年十一月末日に於ける人事考課評定表による申請人X7、X6、X5、X8、X4、X2の作業成績順位は何れも上位で、申請人X3、X1、X9、X10の作業成績は優位であつたことが認められる。これに前記争のない事実を綜合すれば、申請人等に対する前記解雇の意思表示は主として、申請人等が組合活動をしたことに基因するものと一応推認することができる。然らば、右解雇の意思表示は労働組合法第七条第一号に違反する行為と認めざるを得ない。よつて、その余の判断を待つ迄もなく申請人等に対する解雇は無効であるのに被解雇者として取扱はれることは、申請人等にとり著しい損害であるから本案判決確定迄本件解雇の効力を停止する仮処分を命ずるのが相当である。その余の仮処分は給与の支払については、現にストライキ継続中であること、その他の事実より必要のないものと認め、就労については労働協約等に特別の定めのない限り使用者は、労働者の労務提供を受領する義務はないものと認める。(賃金の支払又は損害賠償の義務は別途に考えらるべきであるが)から、仮処分の申請は理由ないものと認め却下すべきものとし主文のように決定する。 |