ID番号 | : | 04529 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 東日本交通事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 自動車運転手が一度のメーター不例行為を理由に解雇された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 不正行為 |
裁判年月日 | : | 1956年7月2日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和30年 (ヨ) 4758 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働民例集7巻4号684頁/時報89号26頁/労経速報215号5頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-不正行為〕 本件を見るに、疎明によれば申請人はいわゆる煙突行為をなしたこと右認定の如くでありながら、会社当局者からこの点を問質されても否認し続けるのみであつたことが認められる。自己の所為の非を認め、会社に陳謝する態度に出れば兎も角として、右の如く毫も反省の色が見られない態度に出られては、会社として始末書提出などの軽い処分に止める余地なしと判断したのは無理のないところであるから従令一回の煙突行為であつてもこれを理由に解雇されても本件解雇をもつて解雇権の濫用ということはできない。 〔中略〕 右諸事実によれば、申請人は本件解雇に至るまで活溌な組合活動をなしている一方、会社は従業員による組合結成及びその後の組合活動を嫌悪していた事実は窺うに難くない。しかしながら、本件解雇に至る経過を見るに、会社は申請人が自己の非を認めたならば始末書提出程度の処分に止めるべく申請人の反省を期待していたが、申請人がその態度を改めないので止むなく解雇予告を決意したことが疎明により明らかであり、しかも本件解雇が申請人の不正行為に対する処分として必ずしも妥当性を欠くものでないことさきに認定のとおりであるのに照らしてみると、右認定の申請人の組合活動が本件解雇の決定的原因であるとは認められず却つて申請人のメーター不倒そのものが本件解雇の決定的原因であると認めざるを得ない。 |