ID番号 | : | 04530 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 安永鉱業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 組合からの組合員の脱退につき勤労主任あたりが関係しているのではないかとの言葉をとらえ会社を誹謗するとして解雇された者がその効力停止の仮処分を申請した事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 会社批判 |
裁判年月日 | : | 1956年7月21日 |
裁判所名 | : | 福岡地飯塚支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和31年 (ヨ) 47 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働民例集7巻4号641頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-会社批判〕 昭和三十一年五月十五日頃、京之上炭坑労働組合員の間に同組合を脱退して第二組合を作ろうとする動きが表面化していたこと。その頃、被申請人会社が右組合の運営に介入し又は支配していることを事由として日本炭坑労働組合九州地方本部から抗議的申入を受けていたこと。申請人は右組合からの脱退運動へは反対していたが、たまたま同年五月十八日午前零時三十分頃二番方の仕事を終えて寮に帰つてきたところ、右組合員である寮生数名が脱退派の出した脱退理由書について雑談していたので暫時その席に加わり、深く考えもせずに「この脱退理由書は被申請人会社の勤労係か勤労主任が考えたものであろう」旨のことを云つてそのまま入浴にたつて行つたことが一応認められる。しかしながらこれらの事情を以てさきに説明した前記就業規則第十五条第二号の規定により解雇をなしうる事由にあたらないと云わねばならない。そのほかには右事由に該当するような具体的事実の疏明がない。したがつて本件解雇の予告は被申請人が解雇事由として主張する前記就業規則第十五条第二号に該当する事実の疏明がないことに帰する。而して就業規則の解雇基準は規範的効力を有するものと解するを相当とし、解雇基準に該当しない事由を以てなした解雇はその効力を生じないものといわねばならない。 |