ID番号 | : | 04565 |
事件名 | : | 取立訴訟事件 |
いわゆる事件名 | : | 愛媛相互銀行事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働者の賃金債権につき取立命令を得た者から当該労働者の使用者に対して支払請求が行なわれた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法24条1項 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金の支払い原則 / 直接払・口座振込・賃金債権の譲渡 |
裁判年月日 | : | 1960年8月12日 |
裁判所名 | : | 高知簡 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和35年 (ハ) 510 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働民例集11巻6号1297頁/時報242号34頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 財経詳報405号16頁/前田政宏・ジュリスト254号77頁/津曲蔵之丞・判例評論35号10頁/労働経済旬報471号21頁 |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金の支払い原則-直接払・口座振込・賃金債権の譲渡〕 本件債権の差押以前において、訴外Aが被告より支給を受くべき給料及び諸手当債権を訴外Bに譲渡し、その旨訴外Aより被告に通知がなされた事実は当事者間に争いがなく、右通知に基き被告が訴外Bに対し、昭和三十四年四月分以降訴外Aに支給すべき給料及び諸手当を支払済みである事実は、証人Bの証言によつてこれを認めることができる。然しながら本件給料及び諸手当の如き労働者の賃金は、労働基準法第二四条により、法令に別段の定めがあるか若しくは労働組合等との協定がある場合のほかはすべて直接本人に支払わなければならないのであつて、これに反する支払いは処罰の対象となつていることに鑑み、同条所定の除外事由に該当することについての主張立証のない被告の右支払いは、結局違法無効のものといわなければならぬ。それゆえ被告は右の支払いを以て原告の請求を阻むことはできないから、被告の抗弁は採用の限りでない。 してみると被告は原告に対し、本件差押並びに取立命令にかかる金三万二千五百円と、これに対する本件訴状の被告に送達された翌日であることが記録上当裁判所に明らかな昭和三十五年七月七日以降右金員支払済みに至るまで年五分の割合による遅延損害金を支払うべき義務がある |