ID番号 | : | 04566 |
事件名 | : | 仮処分取消申立事件 |
いわゆる事件名 | : | 駐留軍羽田飛行場事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 駐留軍の保安上の危険があるとして解雇された者につき予備的に人員整理の必要があるとして行なわれた予備的解雇の当否が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 労働基準法20条1項 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇手続 / 予備的解雇 |
裁判年月日 | : | 1960年8月24日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和33年 (モ) 8305 |
裁判結果 | : | 申立認容 |
出典 | : | 労働民例集11巻4号887頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 萩沢清彦・ジュリスト242号94頁 |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇手続-予備的解雇〕 申立人が、被申立人らに対してした予備的解雇の意思表示は、その前に申立人から被申立人らに対してなされたいわゆる保安解雇の意思表示の効力の有無にはかかわりなく、右予備的解雇の意思表示以後における当事者間の雇傭関係を終了させるためになされたものであつて、将来において第一次解雇の意思表示の無効であることが確定されることに予備的解雇の意思表示の効力発生をかからせたものではないことが認められる。ところでこのような予備的解雇の意思表示は第一次解雇の意思表示が無効である場合にかぎつて法律上その効力が発生し、しからざるときには無意味なものであることが明らかである(この故にこそかかる解雇の意思表示は仮定的、予備的になされるのである。)けれども、予備的解雇の意思表示の機能が前述のようなものであることにかんがみるときは、予備的解雇の意思表示は、決して被申立人らの主張するように第一次解雇の意思表示がその表意者によつて撤回され、または裁判により無効と確定されない以上、これをすることができない、というものではないし、またこのような意思表示によつて、被申立人らのおそれるような当事者間の法律関係の混乱が生ずるとか、その他相手方に不当な不利益をもたらすとかいうことも考えられないのである。けつきよく、予備的解雇の意思表示が本来法律上許されないもので、なんらの法律効果も発生せしめえないものであるという被申立人らの主張は、独自の見解にもとずくものであつて、失当である。 |