ID番号 | : | 04572 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 関西交響楽協会事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 人員整理としてなされた解雇につき、被解雇者の積極的な組合活動を理由とするものであり不当労働行為であるとしてその効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 労働組合法7条1号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 違法争議行為・組合活動 解雇(民事) / 整理解雇 解雇(民事) / 解雇の承認・失効 |
裁判年月日 | : | 1960年10月24日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和32年 (ヨ) 3832 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働民例集11巻5号1192頁/時報241号40頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 加藤俊平・ジュリスト244号85頁/労働経済旬報460号24頁 |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-違法争議行為・組合活動〕 〔解雇-整理解雇〕 協会は解雇理由を解雇当時明らかにしなかつたが、申請人より本件解雇を不当労働行為として地方労働委員会に救済の申立があつて後始めて明らかにしたこと、前記認定の協会が整理基準を定めたいきさつ、及び人員整理の前頃に楽団員を新規に採用している事実などから推すと、協会は確固たる整理方針の下に整理手続を進めたものでないことが認められる。右の事実に、前記認定の協会が申請人を解雇する理由とした事由がその主張どおり是認せられないものであること、協会の楽団員に対する評価は、申請人が積極的な組合活動を行つている状態の下においてなされたものであり、かつ協会は申請人が組合活動を行つていることを察知していたこと、証人Aの証言からうかがえる、協会の理事らは組合の活動をこころよく思つていなかつたこと、前記甲第四号証の一により認められる、申請人の発言は協会側をかなり刺戟していたことをかれこれ総合すると、協会において申請人を被整理者として前記評価を各項目ともCに該当するとし、解雇を決意するに至つた決定的な動機は申請人の前記認定のような積極的な組合活動を嫌悪し楽団より排除せんとするにあつたと認めるを相当とする。 〔解雇-解雇の承認・失効〕 被申請人は、本件解雇が仮に理由がないとしても、申請人は昭和三二年六月一五日退職金一七万円を受領して解雇を承認していると主張し、被申請人主張の日に申請人が退職金一七万円を受領したことは当事者間に争がないが、申請人本人尋問の結果によると、申請人が退職金を受領したのは、申請人が解雇の無効を主張して被申請人を相手に大阪地方労働委員会に救済の申立をして闘争中であつて、しかもこれを受領するに際し生活補給金として一時受領するものである旨の意思表示をしていることが疎明せられるから、これによつて本件解雇の効力を認めることはできない。 |