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ID番号 04580
事件名 免職取消請求控訴事件
いわゆる事件名 名古屋郵政局・東海電気通信局事件
争点
事案概要  正当な組合活動の範囲を逸脱し、過剰人員の整理に関する整理方針および「非協力」の内示基準に該当するとしてなされた国家公務員の免職処分の効力が争われた事例。
参照法条 国家公務員法78条4号
労働組合法1条2項
体系項目 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇基準・被解雇者選定の合理性
解雇(民事) / 解雇事由 / 違法争議行為・組合活動
裁判年月日 1962年1月31日
裁判所名 名古屋高
裁判形式 判決
事件番号 昭和35年 (ネ) 365 
裁判結果 棄却
出典 行裁例集13巻1号84頁
審級関係 上告審/最高大/昭40. 4.28/昭和37年(オ)515号
評釈論文
判決理由 〔解雇-整理解雇-整理解雇基準〕
 本件免職は以上の説明並引用した原判決に説明する如く整理基準及非協力の内示基準に該当するものとしてなされたものであつて控訴人等主張の如く共産主義者並その同調者を排除する目的でなされたものであることについては之を認めるに足る証拠がない。成立に争のない甲第二号証はA個人の見解であつて之より直ちに当時の郵政省並電気通信省の意見を推測することができない。両者の意見はむしろ原審証人Bの証言によつて是認せられる乙第三号証によつて表明されているものといえる。又被免職者の中共産主義者及その同調者が多かつたからといつても共産主義者及その同調者の中に非協力と目されるものが多かつたというだけのことで、その事実から直ちに本件処分が共産主義者及その同調者をねらつたものであるということができない。事実共産党員で免職されなかつたものゝあることは原審証人Cの証言、原審における控訴本人X1の供述によるも明である。又本件免職に当り思想調査が行われた事実については原審における控訴本人X2は之に副う様な供述をしているが右供述は原審証人Dの証言と対比して信用しがたく他に之を認めるに足る証拠はない。その他控訴人等主張の事実が仮に認められたとしてもそれのみによつて本件免職処分が共産主義者及その同調者の排除を目的としてなされたものなることを推断せしめるものではない。
〔解雇-解雇事由-違法争議行為・組合活動〕
 控訴人等の行為はいずれも正当な組合活動の域をこえたものであり之に対して懲戒処分を加えられなかつたとしてもそれが正当な組合活動となるものでないこと勿論である。尚組合活動をしないこと共産党を脱党することを条件として復職した例があるといゝ当審証人E原審証人F、同Gはその様な証言をしているがいずれも信用しない。
 以上の理由により控訴人等の請求を棄却した原判決は正当であつて本件控訴は理由がない。