ID番号 | : | 04641 |
事件名 | : | 免職処分無効確認請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 横浜市事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 和解契約の履行としてなされた依願退職処分につき、右和解契約が解除されたからといって当然に処分が失効するわけではないとされた事例。 |
参照法条 | : | 横浜市職員分限規則4条1項 |
体系項目 | : | 退職 / 任意退職 |
裁判年月日 | : | 1963年10月31日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和35年 (ネ) 2838 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 行裁例集14巻10号1894頁 |
審級関係 | : | 一審/04575/横浜地/昭35.11.19/昭和32年(行)11号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔退職-任意退職〕 しかし、控訴人らの依願退職の申出、本件各免職処分の取消および本件各依願退職処分は、本件和解契約成立の結果なされたものではあるが、和解契約そのものとは別個の手続としてなされたものであることは、上記認定のとおりであるし、本件各依願退職処分は、いわゆる公定力を有する行政処分であるから、一たん有効になされた以上、権限のある行政庁によつて取り消されるか争訟手続において取り消されないかぎり、当然に失効するものではないから、本件和解契約が解除されたからといつて、右の一事でただちにすでになされた本件各依願退職処分の効力が左右されるいわれはない。したがつて、本件和解契約が解除されたことにより控訴人らに対する依願退職処分も当然に効力を失つたとする控訴人らの主張は、本件和解契約が適法に解除されたかどうかの点について判断するまでもなく、採用することができない。 そうであるとすれば、本件和解契約成立の結果、本件各免職処分は取り消され、改めて控訴人らはそれぞれ依願退職願を提出し、これに基いて本件各依願退職処分が有効になされたものであるから、控訴人らは、本件各依願退職処分により、それぞれ横浜市または横浜市教育委員会の職員としての身分を失つたものであつて、現在それぞれ右職員としての身分を有しないことは、本件各免職処分の効力となんのかかわりもないものといわなければならない。従つて、本件和解契約が無効又は失効したことを前提として、本件各免職処分並びに依願退職処分の無効を主張し、控訴人X1らが横浜市の、控訴人X2が横浜市教育委員会の各職員であることの確認を求める控訴人らの本訴請求は、その他の点について判断するまでもなく、失当として棄却するのを相当とする。 |