ID番号 | : | 04671 |
事件名 | : | 雇用契約存在確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 駐留軍保安解雇事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 駐留軍基地で働く労務者が保安上の理由により解雇されたことにつきその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法20条 日米安保条約3条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 保安解雇 |
裁判年月日 | : | 1957年10月30日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和32年 (ネ) 249 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 東高民時報8巻10号256頁/訟務月報3巻12号63頁 |
審級関係 | : | 一審/04652/東京地/昭32. 1.21/昭和29年(ワ)7314号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-保安解雇〕 いわゆる保安基準を設定したことは駐留軍労務者の解雇が客観的な妥当な基準によるべきことを定めたものであつて、もとより駐留軍に労務者の解雇につき主観的な恣意を容認したものでないことは言うまでもないが、駐留軍労務者が保安基準に該当するものとして解雇することができるかどうかの判断は、終局的には駐留軍の認定に委せられているのであつて、日本側としてはこれに対し事前に情報資料を提供し、あるいは反対の見解を表明して再考を促がすことはできるのであるが、駐留軍側において保安基準に該当するものと判定して労務者の解雇を求めた場合には、日本側としては米軍側の認定を終局的なものとしてこれを尊重し、駐留軍労務者を解雇しなければならないものである。従つて日本側(国)としては米軍側の判断が客観的に見て妥当であるかどうかを判定することは許されないものといわねばならない。このことは、いわゆる安全保障条約第三条に基く行政協定、労務提供のための基本協定、行政協定及附属協定に照らし明らかである。当裁判所は叙上の見解を附加する外、原判決と同様の理由により控訴人らの本訴請求を理由のないものとして棄却すべきと判定したので、原判決の理由の記載を、こゝに引用する。 |