ID番号 | : | 04720 |
事件名 | : | 地位確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 神戸タクシー事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | タクシー会社乗務員が同会社常務取締役に対する暴言、暴行を理由に懲戒解雇されその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 暴力・暴行・暴言 |
裁判年月日 | : | 1989年2月28日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和61年 (ワ) 1018 |
裁判結果 | : | 認容(控訴) |
出典 | : | タイムズ704号203頁/労働判例550号122頁/労経速報1349号16頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-暴力・暴行・暴言〕 4 結論 以上認定の諸事実によれば、原告の前示言動は、前判示のとおり、それ自体だけからすれば確かに被告主張のとおり就業規則所定の解雇事由に当たるところではあるが、まず、暴行の点については、それ自体では解雇するには値しない程度の軽微なものであるし、また、暴言の点も、前判示のとおりの本件解雇に至る経緯及び宮内の経歴並びに本件弁論の全趣旨に鑑みるとき、右暴言は、宮内にのみ向けられかつ、その挑発に応じたものが殆んどであること宮内を雇った被告には、不当労働行為と指摘されても仕方がないかのごとき組合活動抑圧の意思が窺え、本件解雇もその一環としてなされたものではないかとの疑念を否定し難いこと、を彼此総合勘案すると、本件解雇は、いまだ相当な解雇事由がないのに原告を無理矢理職場から放逐するため、被告側の挑発に乗った暴言等を捉え、就業規則該当の解雇事由ありとして、原告を解雇するに及んだものであり、まさしく、本件解雇は解雇権の濫用というほかはない。 |