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ID番号 04743
事件名 損害賠償請求控訴事件
いわゆる事件名 市川市事件
争点
事案概要  市の窓口開庁時刻を午前八時半から九時に繰り下げ変更したこと(平日午後五時の閉庁時刻は従前どおり)につき、違法な勤務時間の変更により市に損害が与えられたとして前市長および現市長に対して住民訴訟(損害賠償請求)が提起された事例。
参照法条 地方自治法242条1項
地方自治法148条1項
体系項目 労働時間(民事) / 労働時間の概念 / 勤務時間(公務員)
裁判年月日 1989年4月18日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和60年 (行コ) 110 
裁判結果 棄却(上告)
出典 労働判例550号116頁/判例地方自治57号10頁
審級関係 一審/千葉地/昭60.10.30/昭和54年(行ウ)15号
評釈論文 山代義雄・判例地方自治66号11~14頁1990年3月/小泉健・地方公務員月報317号46~54頁1989年12月
判決理由 〔労働時間-労働時間の概念-勤務時間(公務員)〕
 本案についての判断は、次のとおり改めるほか、原判決理由説示(原判決二六枚目表二行目から同四四枚目裏八行目まで)のとおりであるから、これを引用する。
 1 原判決二六枚目表六行目「本件においては」から同一一行目末尾までを「職員に対する違法な給与支給は、(1)正規の勤務時間が被控訴人Yの市長決裁により短縮されたこと、(2)それにもかかわらず、不足時間分に相当する給与について減額の措置がとられないまま従前の正規の勤務時間どおりの給与が支給されたことをその内容とするが、右市長決裁の趣旨及びその効果は、結局、旧勤務条例において市職員の勤務時間がどのように定められていたかについての理解にかかるのであるから、以下まずこの点について検討する。」と改める。
 2 同二九枚目表九行目「と見るべきであり」から同一一行目「趣旨である」までを削る。
 3 同二九枚目表末行から同裏四行目末尾までを「そうすると、旧勤務条例は、勤務時間と執務時間とが常に等しくなるように規定した趣旨とは解されないのであり、市長は、地方自治法一四八条一項により付与されている事務管理執行権限の発動により、右条例に定める勤務時間の割振りとは別異に、執務時間を設定又は変更する裁量権を有しているものと解するのが相当である。」と改める。