ID番号 | : | 04781 |
事件名 | : | 地位保全金員支払仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 定森紙業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 在職のまま他に勤務したこと、金員を不法頒得したこと等を理由として懲戒解雇された者がその効力を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務上の不正行為 |
裁判年月日 | : | 1989年6月28日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 平成1年 (ヨ) 1264 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例545号12頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務上の不正行為〕 3 以上によれば、申請人が「A会社」の営業に関与したことは、形式的には解雇事由(1)に該当するようであるが、被申請人に黙認されてきたことであり、かつそのことによって被申請人に損害を及ぼしたとは認められないものであり、次いで、申請人が「B会社」から集金した九七五〇円を被申請人に入金しなかったことは、職務上守るべき義務を怠ったものではあるものの、申請人が着服(不法領得)の意図をもって入金しなかったとまでは認められないものといえる。ほかには、申請人に解雇事由(1)ないし(3)に該当する事由の認められないことは、前記のとおりである。 ところで、解雇が従業員に重大な影響を及ぼすことはいうまでもなく、解雇を有効とするには単に形式的に解雇事由に該当する事実があるというだけでは足りず、解雇を相当とするやむをえない事情があることが必要であるが、申請人の右「A会社」及び「B会社」に関する行為は解雇を相当とするやむをえない事情に当たるものとはとうていいえず、他に解雇事由に該当する事情もないから、被申請人が申請人に対してした懲戒解雇は無効というほかなく、申請人は被申請人の従業員の地位を有するものということができる。 |