全 情 報

ID番号 04800
事件名 地位確認請求上告事件
いわゆる事件名 日産自動車村山工場事件
争点
事案概要  十数年から二十数年にわたって「機械工」として勤務してきた者が製造部における組立作業への配置転換の命令を受けたことに対し右配転命令の効力を争った事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠
裁判年月日 1989年12月7日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 昭和63年 (オ) 513 
裁判結果 棄却
出典 労働判例554号6頁/労経速報1378号6頁
審級関係 控訴審/03112/東京高/昭62.12.24/昭和61年(ネ)965号
評釈論文 佐藤敬二・労働法律旬報1261号17~24頁1991年4月10日/新谷真人・季刊労働法155号178~179頁1990年5月/別城信太郎・経営法曹99号54~67頁1992年4月
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令の根拠〕
 上告人らとA株式会社若しくはB株式会社又は被上告人との間において、上告人らを機械工以外の職種には一切就かせないという趣旨の職種限定の合意が明示又は黙示に成立したものとまでは認めることができず、上告人らについても、業務運営上必要がある場合には、その必要に応じ、個別的同意なしに職種の変更等を命令する権限が被上告人に留保されていたとみるべきであるとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひっきょう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するか、又は独自の見解に立ち若しくは原審の認定しない事実に基づいて原判決を論難するものであって、採用することができない。
 〔中略〕
 原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて、被上告人が本件異動を行うに当たり、対象者全員についてそれぞれの経験、経歴、技能等を各別にしんしゃくすることなく全員を一斉に村山工場の新型車生産部門へ配置替えすることとしたのは、労働力配置の効率化及び企業運営の円滑化等の見地からやむを得ない措置として容認しうるとした原審の判断は、正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。論旨は、採用することができない。