ID番号 | : | 04907 |
事件名 | : | 解雇無効確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 松下電器産業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 子会社に出向中に工場長等の地位を利用して取引先会社にバックリベートを支払わせたことを理由とする事業部次長の懲戒解雇の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務上の不正行為 |
裁判年月日 | : | 1990年5月28日 |
裁判所名 | : | 大阪地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和61年 (ワ) 8071 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働判例565号64頁/労経速報1401号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務上の不正行為〕 (2) 右認定事実によると、AがB会社とC会社、D会社及びE会社間の取引に関しC会社ら三社から多額のバックリベートを徴していたこと、B会社とC会社ら三社は当初から直接取引を行ったのであり、Aが取引に介在したことはなく、同社がバックリベート或いは何らかの手数料を徴すべき合理的理由のなかったことは疑問の余地なく、B会社がC会社製成型機を選択したこと自体に誤りはなかったとしても、Aが合理的理由もないのに右バックリベートを徴し得たのは原告の画策によるものと認めるの他ない(原告は同五七年頃以降Fから毎月三〇万円程度の金員交付を受けたに止まり、A或いはFが右バックリベートを如何に処分したかは判然としないが、この事実は右説示を左右するに足りない)。 原告は、被告の行った事実調査は杜撰であったこと、被告のなした刑事告訴は不起訴処分に終わったこと等を理由に原告には何らの不正行為もなかったと主張するが、右認定事実に照らし採用できない。 前記(1)認定の諸事実並びに右説示を総合すると、原告はB会社出向当時、職務に関し不正行為を行い、同社に経済的損害を与えたのみならず、その名誉、信用をも毀損したものであり、被告とB会社の緊密な関係及び原告は同社に在籍出向していたことに照らすと、原告には被告就業規則九〇条一項四号、七号、一〇号に該当する事由があると認めるのが相当である。 |