ID番号 | : | 04945 |
事件名 | : | 賃金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 東葉産業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 出張先からの移動が休日になされた場合につき、右は休日労働とはいえないとされた事例。 競業避止義務違反を理由とする懲戒解雇が有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法32条 労働基準法37条 労働基準法2章 労働基準法89条1項9号 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 競業避止義務 労働時間(民事) / 労働時間の概念 / 出張の往復時間 |
裁判年月日 | : | 1989年11月20日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和62年 (ワ) 3221 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | 労働判例551号6頁/労経速報1384号21頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労働時間-労働時間の概念-出張の往復時間〕 原告が右両日に神津島に出張したことは、当事者間に争いがない。しかして、原告本人尋問の結果によれば、原告は、右両日ともに、日曜日を利用して出張先の神津島から帰ってきたというもので、日曜日に同島で被告の仕事に従事したものではないことが認められる。そうだとすると、原告は、休日に労働をした訳ではなく、労働を終えて帰路に就いたに止まるから、かかる休日を利用しての移動には、「休日に労働させた」ことを割増賃金支払の要件とする労働基準法三七条の適用はないと解するのが相当である。このことは、通常の勤務における朝夕の通勤が、労働と密接不可分の関係にありながら、時間内及び時間外のいずれの労働にも含まれないことと同様だからである。 〔労働契約-労働契約上の権利義務-競業避止義務〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-二重就職・競業避止〕 (四) 右に見た事実を総合すれば、被告がした解雇の意思表示は、原告が従業員として尽くすべき職務専念義務、誠実義務に違反し、更には被告の得意先を簒奪しようとしたことを理由とするものであって、それが懲戒権の範囲を越える不合理なものであることを疑わせる事情も存しないから、懲戒解雇として有効であると解するのが相当である。 |