ID番号 | : | 04960 |
事件名 | : | 労働者災害補償認定等取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 鈴木炭礦・日立労基署事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 災害補償の原因である事故が保険加入者たる会社の重過失によるものであるとして給付制限処分を受けた会社が右処分を争った事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法19条(旧) |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 保険料の怠納、労働者側の重過失等による給付制限 |
裁判年月日 | : | 1953年2月24日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和26年 (ネ) 2022 |
裁判結果 | : | 取消 |
出典 | : | 労働民例集4巻1号30頁 |
審級関係 | : | 上告審/04969/二小/昭30. 1.28/昭和28年(オ)251号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-保険料の怠納、労働者側の重過失等による給付制限〕 思うに埋蔵量の少ない炭砿に割当が多量に来た場合に如何にしてこれを達成するかについては会社も従業員も共に苦慮するところで採炭に多少の無理をすることになるのも止むを得ないであろう。しかし保安炭柱は坑内従業員にとりては命の綱であるから、命を絶たれるほどの危険を生ずるような無謀な炭柱採炭を当時したとは考えられない。従つて控訴会社が割当量達成のため、従業員等に対し増炭を要望し従業員また増炭を欲するの余り保安炭柱から採掘した事実があつたとて、この点につき控訴会社が著しく注意を怠つたもの、即ち重大な過失があるものと判定することはできない。 以上の次第にして本件事故発生については控訴会社には労働者災害補償保険法第十九条に謂うような重大な過失はないのであるから、これありとして被控訴人日立労働基準監督署がなした前記決定並びにこれを支持した被控訴人茨城労働基準局保険審査官の前示審査決定はともに違法である。 |