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ID番号 04987
事件名 損害賠償請求事件
いわゆる事件名 高松中央青果事件
争点
事案概要  自動車事故(業務災害)により死亡した労働者の遺族に対して補償を行なった国が加害者たる自動車運転手の使用者に対して右補償につき求償した事例。
参照法条 労働者災害補償保険法20条1項
体系項目 労災補償・労災保険 / 損害賠償等との関係 / 国の求償権、示談との関係
裁判年月日 1959年3月17日
裁判所名 高松地
裁判形式 判決
事件番号 昭和32年 (ワ) 227 
裁判結果 一部認容・棄却
出典 訟務月報5巻4号527頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険-損害賠償等との関係-国の求償権、示談との関係〕
 訴外Aおよび同Bの死亡ないし負傷はいずれも同人等の業務上の事故に基くもので労働基準法上の災害補償の対象となつたこと、労働者災害補償保険法第三条第一項、および同法第六条により昭和二二年九月一日以降国と訴外会社との間に強制的に同法による保険関係が成立していたこと、そのため原告は、坂出労働基準監督局を通じて、同法第一二条に基き訴外Aの妻である訴外Cおよび訴外B(本人)に対し災害補償として次のとおりの保険給付をしたこと
 (イ) 訴外Cに対する保険給付
 内訳
 遺族補償費
 葬祭料
 療養補償費
 金額
 四六九、五一〇円
 二八、一七一円
 八、三六〇円
 支払(給付)の日(昭和年月日)
 三〇・八・二五
 右同
 三〇・九・二九
 備考
 (平均賃金千日分)
 訴外Cに交付
 (平均賃金の六〇日分)
 訴外Cに交付
 (被災後死亡に至るまでの診療費全額)
 訴外Cのため三宅病院に交付
 計五〇六、〇四一円
 (ロ) 訴外Bに対する保険給付
 内訳
 療養補償費
 休業補償費
 金額
 三、二二〇円
 二、九一五円
 二、八二〇円
 三二〇円
 五、五二一円
 支払(給付)の日(昭和年月日)
 三〇・九・二二
 三〇・九・二九
 三〇・一〇・二四
 三〇・一一・二九
 三〇・九・二九
 備考
 D外科医院に訴外Bのため交付
 E病院に対し訴外Bのため交付
 F外科医院に対し訴外Bのため交付
 右同
 (昭和三〇年八月一一日から同年九月一八日まで三九日間の平均賃金の百分の六〇に相当する額)訴外Bに交付
 計一四、七九六円
 の諸事実を認めることができる。
 〔中略〕
 したがつて、原告は、右給付によつて労働者災害補償保険法第二〇条第一項に基き右各給付の日から右各給付額に相当する限度で順次被補償者である訴外Cおよび同Bの被告に対して有する前認定の損害賠償債権の一部を取得したといわなければならない。そして、原告が被告に対し昭和三〇年九月五日頃右取得の旨を通知したことは成立に争のない甲第一五号証の一ないし三によつて認められる。被告は原告に対して右保険給付の限度において損害額を賠償しなければならない。