ID番号 | : | 04989 |
事件名 | : | 労災保険決定無効確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 大町労基署長事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 大町工場で工員として働いていた者が棒綿の整理作業中に転倒して胸を強く打った事故につき治ゆしたとして療養補償、休業補償が打切られたことにつき右打切りを不当として争った事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法12条1項(旧) 労働基準法75条 労働基準法76条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 療養補償(給付) |
裁判年月日 | : | 1959年6月9日 |
裁判所名 | : | 長野地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和30年 (行) 4 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働民例集10巻3号620頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-療養補償(給付)〕 原告の肋骨周囲膿瘍はA病院に通院し始めた昭和二十四年五月上旬頃発病し、徐々に悪化したのであって、既往症の陳旧性肋膜炎に原因し、原告の受けた打撲傷がそれを誘発増悪せしめたものではないことが認められる。従つて原告の肋骨周囲膿瘍は業務上の負傷に原因する疾病ということはできず、又業務に起因することの明かな疾病ということもできない。 〔中略〕 以上認定の如く原告の受けた業務上の災害は右第四肋骨部の不完全骨折であつて、昭和二十四年五月上旬治癒しており、仮に右骨折の外その頃発病した肋骨周囲膿瘍が業務上の疾病であるとしても、それもA病院退院当時には治癒していたのであるから、原告の業務上の疾病は昭和二十六年五月十六日原告がA病院からB病院に転医した時期において治癒したものとして、昭和二十六年五月十七日以降のB病院における療養費を支給しないとした被告の本件処分には無効とすべき重大かつ明白な瑕疵ありとは到底認めがたく、原告の請求は理由がない。 |