ID番号 | : | 04999 |
事件名 | : | 労働者災害補償保険法第二〇条に基く求償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 若葉運輸事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 交通事故(業務上災害)の被災者に労災保険の補償を行なった国が右事故の加害者に対して求償した事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法20条1項 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 損害賠償等との関係 / 国の求償権、示談との関係 |
裁判年月日 | : | 1961年12月21日 |
裁判所名 | : | 横浜地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和34年 (ワ) 605 |
裁判結果 | : | 一部認容・棄却(控訴) |
出典 | : | 訟務月報8巻1号37頁 |
審級関係 | : | 控訴審/東京高/ . ./昭和36年(ネ)2910号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-損害賠償等との関係-国の求償権、示談との関係〕 原告がAに対し療養補償費として前示四(1)の治療費金八七、四七八円のうち(ロ)の金五八、九七八円および障害補償費として四(3)に記載の金額のうち金三八八、三八〇円、合計金四四七、三五八円を労災法補償による給付額として決定し、そのうち、金五八、九七八円を昭和三一年一二月二五日に、うち金三八八、三八〇円を同年同月二六日にそれぞれAに支給したことは前出甲第六号証の一およびその方式および趣旨によつて真正に成立したと認められる甲第六号証の二によつてこれを認むべく、右事実によれば原告は右金四四七、三五八円の限度内であるAが被告に対して有する前示金一五四、四九九円の損害賠償債権およびこれに対する右取得の日以後の年五分の割合による遅延損害金の債権を取得したというべきである。原告は原告がAに保険給付として支払つた金額の限度内においてはAの有した精神上の損害に対する損害賠償請求権をも取得したと主張するけれども、右の保険給付金に慰藉料が含まれていないことは原告の認めるところであり、しかも慰藉料請求権の一身専属的性質と合せ考えるときは労災法第二〇条により国が取得すべき損害賠償請求権は慰藉料請求権を含まないと解すべきであつて、原告の主張は理由がない。 |