全 情 報

ID番号 05001
事件名 労災保険給付請求事件
いわゆる事件名 労働保険審査会事件
争点
事案概要  鉱山の仕繰夫として作業中に右眼を坑木で打撲受傷した労働者が右負傷につき休業補償を請求した事例。
参照法条 労働者災害補償保険法12条1項(旧)
労働基準法76条
体系項目 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / 休業補償(給付)
裁判年月日 1962年4月9日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和36年 (行) 74 
裁判結果 一部却下・棄却
出典 法曹新聞178号18頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-休業補償(給付)〕
 労働者の業務上の負傷がその症状において固定し医療効果を期し得ない状態となつたときは、たとえ後遺的症状が存しても労働基準法第七六条第一項、第七七条の規定からすれば、その負傷は治癒したものと解すべく、残存する障害の程度に応じて障害補償の事由となるのは格別、休業補償の事由とはなり得ないのであつて、労働者災害補償保険法に基く保険給付の事由も右に準ずべきことは同法第一二条の規定上明らかである。さすれば原告の本件負傷は後遺症を残しながらも昭和三四年七月八日現在において治癒したものと認めるのが相当であつて、原告が同年八月一日から同月三一日までの休業補償費(保険給付)を請求し得る筋合はない。従つて佐賀労監署長がなした右休業補償費不支給の処分は、その前提たる傷害治癒の認定において少くとも原告の不利益に判断した瑕疵があるといえず、もとより支給すべからざる休業補償費の請求に対する措置として正当というべく、そのしかる以上、右処分を維持して原告の不服申立を棄却した佐賀労災保険審査官の決定及び被告の裁決も亦正当といわなければならない