ID番号 | : | 05004 |
事件名 | : | 遺族補償費・葬祭料処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 興国林材事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 伐材搬出業者に雇用されている馬橇夫が作業場からの帰宅途上で被った災害が業務上災害にあたるかどうかが争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法12条1項(旧) 労働基準法79条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 通勤途上その他の事由 |
裁判年月日 | : | 1962年6月1日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和34年 (行) 94 |
裁判結果 | : | 棄却(控訴) |
出典 | : | 労働民例集13巻3号688頁/時報308号31頁/タイムズ132号138頁/訟務月報8巻6号1055頁 |
審級関係 | : | 控訴審/05013/東京高/昭39.11.30/昭和37年(ネ)1325号 |
評釈論文 | : | 保原喜志夫・ジュリスト302号86頁 |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-通勤途上その他の事由〕 労働者災害補償保険法第一二条第一、二項の規定するところによれば、同法で保険する災害補償の事由は、労働基準法第七五条ないし第八一条に定める災害補償の事由すなわち業務上の災害とされているところ、ここにいう業務上の災害とは、労働者が使用者の指揮命令にもとづく支配下におかれている状態において発生したものであることを要するものと解すべきであるから、労働者が出勤または帰宅の途上で蒙つた災害は、特別の事情のない限り、労働者が使用者の指揮命令に服していない状態の下におけるものとして一般には業務外のものと認めるべきである。 〔中略〕 以上のような諸般の事情を総合するときは、Aの居村地方において馬橇夫として他人に雇傭されているものが作業の開始前または終了後に自宅と作業現場の間を往復する間においても雇傭主の指揮命令に服しているものと解さなければならない労働慣行その他の根拠の存在は認められないものといわなければならない。 してみるとAの蒙つた本件災害はその雇傭主のB株式会社の指揮監督が既に及ばなくなつた後に生じたものであつて、業務上の事由によるものといいえないことが明らかである。 |