ID番号 | : | 05020 |
事件名 | : | 解雇効力停止仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 三和相互銀行事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 株主たる従業員の反経営的行為に対して行なわれた解雇の効力が争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 民法1条3項 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇権の濫用 |
裁判年月日 | : | 1958年3月12日 |
裁判所名 | : | 岡山地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和33年 (ヨ) 13 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 時報146号30頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇権の濫用〕 第四、かように極めて成績優秀であるところの申請人等が企業合理化の名のもとに解雇されたのは、申請人等がいずれも被申請人会社の職員であると同時に株主であつて一部重役と意見を異にする他の株主有志により計画された会社の自主再建を目的とする臨時株主総会招集のための準備運動に賛同したため、一部重役の不興をかつたことが決定的動機となつたものと考えるより外に何等の理由も見出せない。被申請人会社は従前より株主である職員に対し当然のことながら株主権の行使を認容していたのであり、右は会社の自主再建を念願した株主としての正当な権利の行使に過ぎず、しかも申請人等はこれがため業務の執行に支障を来すようなことは全くしていないのである。 第五、叙上のとおり就業規則に定めた停年により退職すべきもの又は成績不良にして退職さすべきものをそのままとし、特に成績優秀な申請人等に対してなされた本件解雇は、前記就業規則第五十四条所定の正当理由も又その必要もなく、表面企業合理化による整理解雇を装いながら申請人等の株主としての正当な行為を非難し、一部重役の指示によりこれを実質的な理由としてなされたものであり、就業規則に違反した解雇権の濫用であつてその効力はない。 |