ID番号 | : | 05028 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 金清釦工業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 景気の悪化により事業縮小のために行なわれた人員整理を理由とする解雇につき労働者が真の原因は組合活動にあり不当労働行為であるとして争った事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇基準・被解雇者選定の合理性 |
裁判年月日 | : | 1958年8月8日 |
裁判所名 | : | 和歌山地田辺支 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和33年 (ヨ) 19 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働民例集9巻5号605頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 佐藤進・ジュリスト189号67頁 |
判決理由 | : | 〔解雇-整理解雇-整理解雇基準〕 最近釦業界が一般的不況下にあり、被申請人会社においても昭和三三年に入るや合成樹脂釦、ナツト釦等の受注量は激減し、同年三月頃までその状態に大差なく、三月下旬頃には愈々企業維持のためには早急に事業を縮少しなければならない状況となり、自然退職を考慮しても、現状打開のためには、人員整理の必要があつたこと、そしてこの場合、他部門には入手の足りないところもあつたが、合成樹脂釦は将来性がなく、将来性ある部門への転換も、そのために要する習熟期間等に照し右急場を凌ぐことにならないこと、これがため仕事の繁閑を考慮して重点的に主として合成樹脂部門より(1)勤務振りの不良な者、(2)病弱者、(3)高令者、(4)勤続年数の短い者、(5)能率のあがらない者を整理基準として、整理の対象者としたことをいずれも一応認めうるのであつて、以上のような状況において、会社が従業員を解雇する場合、不当労働行為、労働協約違反の点がない限り、一方的に解雇したとしても、一応正当な理由による解雇であるというべきである。 |