ID番号 | : | 05079 |
事件名 | : | 労災就学援護費不支給処分取消請求控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 三田労基署長事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | スチレン中毒により労災保険法に基づく傷病補償年金を受給している者が長女が大学に入学したため労災就学援護費の支給を求めたところ基準を充たしていないとして拒否されたために右不支給処分の取消を求めた事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法23条1項2号 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 補償内容・保険給付 / リハビリ、特別支給金等 |
裁判年月日 | : | 1984年11月26日 |
裁判所名 | : | 東京高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和58年 (行コ) 98 |
裁判結果 | : | 棄却(確定) |
出典 | : | 労働民例集35巻6号615頁 |
審級関係 | : | 一審/05070/東京地/昭58.12.12/昭和56年(行ウ)76号 |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-補償内容・保険給付-リハビリ、特別支給金等〕 当裁判所も、控訴人の本訴請求は理由がないものと判断するものであり、その理由は、次のとおり訂正し、削除し、又は付加するほかは、原判決の理由説示と同一であるから、これを引用する。 〔中略〕 2 原判決二七丁表七行目(同上、六三四頁一七行目)から同丁裏五行目(同上、六三五頁二行目)「すなわち、」までを次のように訂正する。 「3 以上によれば労災法上は労働福祉事業を行うか否かを政府の自由な裁量に委ねているというべきであるが、同法二三条二項は、その実施に関して必要な基準を省令に委任しているから、同条は省令の規定とあいまつて被災労働者に労働福祉事業に伴う利益を享受しうる地位を付与することを予定しているものと解される。しかして、就学援護費については、規則においてその給付に関する事務を所轄の労働基準監督署長とすることと定め、通達により支給対象、支給額、支給期間、欠格事由、手続、支払方法を定めているのであるから、政府は、労災法の定める労働福祉事業として就学援護費の支給を規則、通達に定めるところにより実施することとし、しかも、右通達の定めは単に下級行政庁に対する内部的な指示にとどまらず、実際には省令を補充する機能を有しているとみるべきことはその内容に照らし明らかである。そして、これによれば、就学援護費の支給を受けようとする被災労働者は、右の規則及び通達に従つて申請しなければならず、それ以外の方法によつて支給を受けることはできず、一方、」 3 原判決二八丁表五行目(同上、六三五頁七行目)「確かに」から同九行目(同上、六三五頁九行目)末尾までを次のように訂正する。 「そうだとすれば、労働基準監督署長が援護費の支給申請をした被災労働者に対し、これを支給しない旨通知する行為は、被災労働者の具体的権利義務に影響を及ぼすものというべきである。」 |