ID番号 | : | 05108 |
事件名 | : | 療養補償不支給処分取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 姫路労基署長事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 運送会社の配車担当者が夜間当直業務に従事中に高血圧性の脳出血により顔面神経マヒを発病したケースで業務上の疾病に当るか否かが争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働者災害補償保険法7条1項 労働者災害補償保険法12条の8 労働基準法75条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 脳・心疾患等 |
裁判年月日 | : | 1987年11月12日 |
裁判所名 | : | 神戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和61年 (行ウ) 3 |
裁判結果 | : | 棄却(控訴) |
出典 | : | タイムズ657号98頁/労働判例507号49頁/労経速報1324号21頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-脳・心疾患等〕 5 以上の事実によれば、原告は、A会社においてかなりの重労働に従事していたということができるが、当時成人男子として働き盛りの年令にあつたうえ、発病当時の業務も昭和五一年ころ以来の、いわば慣れきつた仕事というべきもので、これにより心身の疲労を自覚していた徴候はなく、当日の業務その他に、原告の心身に特段過重な負担をもたらす出来事があつたこともうかがうことはできない。 一方原告は、同五〇年ころより高血圧症という疾病の素因を有し、それが加齢とともに増悪する傾向にあつたにもかかわらず、自覚症状がなかつたところから、医師の診断も受けず、また健康保持に対し殆んど気を配ることもなかつたことが認められる。 以上の諸点と、本件発病の誘因として具体的に前記業務を指摘する医師の所見もない(成立に争いのない乙第二三号証はかえつてこれを否定する。)ことを総合勘案すると、本件発病は、疾病の素因としての高血圧症が、自然的経過により増悪し、たまたま就業の機会に発症したもので、前記原告の業務との間に相当因果関係はないと判断せざるをえず、従つて、本件処分は適法というほかはない。 |