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ID番号 05235
事件名 療養補償費不支給決定処分取消請求控訴事件
いわゆる事件名 北九州西労基署長事件
争点
事案概要  港湾労働に長年従事してきた労働者に発症した腰痛につき、業務に起因するか否かが争われた事例。
参照法条 労働基準法75条
労働者災害補償保険法13条
体系項目 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 職業性の疾病
裁判年月日 1990年3月27日
裁判所名 福岡高
裁判形式 判決
事件番号 昭和62年 (行コ) 11 
裁判結果 棄却
出典 労働判例560号20頁
審級関係 一審/福岡地/昭62. 7.10/昭和52年(行ウ)32号
評釈論文
判決理由 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-職業性の疾病〕
 本件では、被控訴人の従事した前記本件港湾労働の内容(特に、被控訴人が日常取り扱っていた鉄鉱石等の重量、作業姿勢、作業時間及び作業回数等)、被控訴人の有する身体的素因ないし基礎疾患、被控訴人の腰痛の発症経過、被控訴人の身体的条件(前記原審証人Aの証言及び被控訴人の原審(第一回)における本人尋問の結果によると、被控訴人は昭和一一年生まれの男性であり、体格もよく、本件港湾労働に二四才ころから三七才ころまでの間就労し、性格は非常に我慢強く黙々と作業するタイプであったことが窺える。)等をも総合して考察すると、被控訴人の腰・背部痛は、腰椎分離症及び辷り症という被控訴人の従来の素因に前認定のような本件港湾労働への長期従事という労働の積み重ねが関与して出現するに至った疾病である(それは、単なる加令現象ないし自然憎悪の域を超えたものである。)と判断するのが相当であり、この意味で被控訴人の腰痛の発症と本件港湾労働との間には相当因果関係があり、右因果関係の存在は上来挙示の諸証拠に照らし医学的にも説明が可能なものというべきである。他に以上の認定を覆すに足りる証拠はない。」