ID番号 | : | 05236 |
事件名 | : | 労災保険不支給決定取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 池田労基署長(山林労働者・腰痛)事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | チェンソー等を用いて立木伐採の作業に従事してきた山林労働者に発症した腰痛につき、業務に起因するか否かが争われた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法75条 労働者災害補償保険法13条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 業務上・外認定 / 職業性の疾病 |
裁判年月日 | : | 1990年4月18日 |
裁判所名 | : | 徳島地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和61年 (行ウ) 2 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働判例562号61頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-業務上・外認定-職業性の疾病〕 右知見に基づき、前認定の事実を総合考慮すると、原告の本症は、単なる加齢的変性として生じたものではなく、加齢的変性に加えて、通算約一〇年間という長期間にわたり、一日平均六時間前後重量約一七キログラム(作業時携帯品を加算すると約二〇・七キログラム)のチェーンソー等を保持した、不自然な姿勢での振動を伴う立木伐採作業に従事したことによる脊柱管構成要素の変性の促進によって、生じたものであって、これが加齢的変性に対比して相対的に有力な原因となっていると認めるのが相当である。 6 (結論) 以上によれば、原告の本症及びこれに起因する腰痛、左下肢痛及びしびれ感、間欠性跛行の自覚症状は、原告の従事した業務と相当因果関係のあるものであって、業務上の疾病ということができる。すなわち、原告の腰痛は、腰部に過度の負担を与える不自然な作業姿勢により行う業務による腰痛として、労基法施行規則別表第一の二第三号の細目2に、原告の本症は、身体に過度の負担のかかる作業態様の業務に起因することの明らかな疾病として同細目5にそれぞれ該当するものである。 そうすると、原告の本症及びこれに起因する腰痛、左下肢痛及びしびれ感、間欠性跛行の自覚症状が業務上の疾病に該当しないと判断してした被告の本件不支給決定は、違法である。 |