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ID番号 05241
事件名 損害賠償請求事件
いわゆる事件名 南海電気鉄道・中央貨物運輸・日海荷受事件
争点
事案概要  労基法七九条の遺族補償の原因となった事故が第三者の不法行為によって発生した場合、その補償をした使用者が第三者に対する損害賠償請求権を取得するかにつき、民法四二二条を類推してこれを認めるべきとした原審を認容した事例。
参照法条 労働基準法79条
民法422条
体系項目 労災補償・労災保険 / 損害賠償等との関係 / 労基法との関係
裁判年月日 1961年1月24日
裁判所名 最高三小
裁判形式 判決
事件番号 昭和31年 (オ) 364 
裁判結果 棄却
出典 民集15巻1号35頁/時報249号16頁/タイムズ115号68頁/裁判集民48号93頁
審級関係
評釈論文 乾昭三・民商法雑誌45巻2号218頁/倉田卓次・右田尭雄・法曹時報13巻3号88頁/平野克明・法学志林59巻3・4合併号238頁
判決理由 〔労災補償・労災保険-損害賠償等との関係-労基法との関係〕
 労働基準法は、同法七九条に基き、使用者が遺族補償を行つた場合において、補償の原因となつた事故が第三者の不法行為によつて発生したものであるとき、使用者はその第三者に対し、補償を受けたものが、第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得するか否かについて何ら規定してはいないが、右のような場合においては、民法四二二条を類推して使用者に第三者に対する求償を認めるべきであると解するのが相当であるから、これと同趣旨に出た原判決は誠に正当であつて、所論の違法ありとはいえない。