ID番号 | : | 05259 |
事件名 | : | 雇用関係存在確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 総友会事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 勤務態度不良、企業の信用喪失行為、上司の注意に対する無反省等を理由とする懲戒解雇につき、右行為は就業規則上の懲戒事由に該当し、解雇権の濫用とはいえず有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法89条1項9号 民法1条3項 |
体系項目 | : | 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒権の濫用 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 信用失墜 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職務懈怠・欠勤 |
裁判年月日 | : | 1990年3月28日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和57年 (ワ) 14022 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労経速報1391号24頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒権の濫用〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-信用失墜〕 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職務懈怠・欠勤〕 四 以上の認定によれば、原告には、被告の就業規則第五一条二(会の業務を進んで阻害するような意図のあることが事実によって明らかになったとき)、四(正当な理由がなく、しばしば遅刻、早退または私用外出をしたとき)、六(著しく自分の職責を怠り、確実に勤務しないとき)、七(職務上の指示に従わないとき)、一一(会の秩序をみだすおそれのある流言ひ語を行ったとき)、一二(みだりに会の職制を中傷またはひぼうし、あるいは職制に対し反抗したとき)、一三(懲戒に処せられたにもかかわらず始末書を提出しないなど、懲戒に従う意志が全く認められないとき)の各号に該当する事由が存するものと認められる。 五 原告は、本件解雇処分は、適切な進言をする原告を排除するため専務理事の森本により恣意的になされたものであって、解雇権の濫用であると主張するが、被告は、企業を会員として総務、人事、労務に関する活動を行う社団法人であり、その事務局が五名程度の小人数で組織されているものであり、原告は、上司である専務理事、事務局長よりも先輩であって事務局次長という地位にあったところ、非協力的な、ふしだらな勤務状況等により他の職員の信用を失っていたこと、原告は過去にも譴責処分を受けていながらこれによって反省するというよりも被告に対する反感を募らせ、被告の秩序に対する挑戦を明らかにしていたなどの前記認定の諸事情を総合すれば、被告が原告を懲戒解雇に付したことは、客観的合理性を欠くものではなく、社会通念上相当として是認することができないものではない。したがって、原告の右主張は失当である。 |