ID番号 | : | 05265 |
事件名 | : | 解雇無効確認等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | アール・エフ・ラジオ日本事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 編成局報道部課長に対する無届による講演等を理由とする解雇が無効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 職務能力・技量 |
裁判年月日 | : | 1990年4月6日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和62年 (ワ) 12484 |
裁判結果 | : | 一部認容棄却 |
出典 | : | 労働判例561号21頁/労経速報1403号16頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-職務能力・技量〕 (4) 原告の前記講演の内容が以前出版しようとした著書の内容と同趣旨であることは当事者間に争いがなく、(証拠略)によれば、右著書が出版されず、右著書をめぐり種々の報道がなされるなどしたため、原告の上司から今後当分の間出版等をしないよう指示されたことが認められる。右事実によれば、就業規則上その届出義務があるものとは認められないものの、原告が上司等に断ることなく前記講演をしたことは、いささか社員として配慮を欠くといわざるを得ない。しかし、(証拠略)によれば、原告の前記講演は、定員五〇名の講演会におけるものであり、その出席者も主催者であるA研究所の会員会社の人事労務担当者、管理者等であることが認められ、人数も比較的少ないこと、右のような講演会の性格、前記認定のとおり右講演と同趣旨の原告の著書の出版を被告が一旦は承認したこと及び原告に就業規則上の届出義務があるものとはいえないことに照らすと、原告が被告に届け出ることなく講演を行ったことをもって、原告が被告の指示を無視し、従業員の立場を放棄して、独立のジャーナリストとしての行動をとったものと認めるのは相当でなく、社員としての適格性を欠くものとまで認めることはできない。 |