ID番号 | : | 05266 |
事件名 | : | 不当労働行為救済命令取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | ネッスル事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 浦和出張所長から神奈川県営業所セールスマンへの配転につき、不当労働行為にあたるとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の限界 |
裁判年月日 | : | 1990年4月11日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和61年 (行ウ) 150 |
裁判結果 | : | 認容 |
出典 | : | 労働判例563号75頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の限界〕 三 結論 前記2(一)認定のとおり本件配置転換処分は降格処分であるが、同(二)認定のとおり、原告は本件配置転換以前よりAグループを支持する組織ないし集団を嫌い、右組織ないし集団に属していたBに対し再三に亘り訴外組合系のCグループを支持する組織に移るように働きかけていること及び2(一)のとおりBは過去数回に亘りディストリクト・スーパーバイザーとしてその職務を果してきたばかりか、本件配置転換はBの浦和出張所長就任後実質五か月程度で決せられていることなどの事実を考慮すると、本件配置転換はBがAグループに属していることを理由としてなされた不利益取扱いである疑いが全くないわけではない。 しかしながら、前記3認定のとおり、Bは浦和出張所長就任後六か月間に亘りその責務を十分に果さず、ディストリクト・スーパーバイザーとして十分な適格を有していたか否か相当問題であったといわざるを得ず、原告として会社経営上これを放置しておくことができなかったこともこれを肯認し得るところであるから、本件配置転換はやや性急に過ぎた感がないわけではないが、なお原告の業務上やむを得ずなされたものというべきである。 したがって、本件配置転換をもって、Bが後に補助参加人両組合となる集団に加担していることを嫌ってなされた不利益取扱いで不当労働行為であるということはできず、本件命令は違法であり、その取消しを免れない。 |