ID番号 | : | 05304 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 豊里炭鉱労働組合・昭和電工事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働組合が、組合員たる従業員が解雇されたことにつき、その効力停止の仮処分を申請した事例。 |
参照法条 | : | 労働組合法16条 労働基準法89条1項3号 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇手続 / 同意・協議条項 解雇(民事) / 解雇と争訟・付調停 |
裁判年月日 | : | 1949年12月27日 |
裁判所名 | : | 札幌地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和24年 (ヨ) 166 |
裁判結果 | : | 申請却下 |
出典 | : | 労働民例集6号90頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇と争訟〕 被申請人は本件仮処分申請は労働組合が会社のなした解雇の効力の停止をもとめるものであるが、このような従業員と会社の雇傭契約に基ずく権利は従業員個人の権利であつて労働組合はこれを主張する何等の権限なく、従つてその当事者適格を欠く旨主張するが、労働組合は組合員の労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的とし、その代表者は組合員のため使用者とこれらの事項について交渉する権限のあることは労働組合法の規定するところであつて、会社が組合員を解雇したことに関し、労働組合たる申請人が解雇の不当を主張し使用人たる会社と交渉し、または訴訟をもつてその無効なることの確認をもとめる権限のあることは明らかであり、本件申請においても当事者適格を欠くものというべきではない。 〔解雇-解雇手続-同意・協議条項〕 本件当事者間には昭和二十一年十二月十八日締結せられた労働協約が六ケ月の有効期間経過後も双方の合意によつて延長されて来たに過ぎないものであつてこのような場合においても当事者の一方が反対の意思を表示すれば協約は有効に存続することを得ないものと解すべきであるところ会社は昭和二十四年十一月十八日組合に対し労働協約を破毀する旨の意思表示をなしたことは当事者間に争いがないのであるから、右協約は労働組合法第十五条第二項本文の規定に基ずき同日以降効力を失つたものといわねばならない。しからばその以後になした会社の本件解雇の意思表示は右労働協約に拘束される理由はなく、組合の同意を得なかつたことを以て直ちに無効のものと認定することはできない。 |