ID番号 | : | 05309 |
事件名 | : | 指示取消請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 八代労働基準署長事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働基準監督署長が使用者に対してした解雇予告手当を支払うべき旨の指示は、取消訴訟の対象とならないとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法20条 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇予告と除外認定 / 除外認定と抗告訴訟・不服審査 |
裁判年月日 | : | 1951年5月7日 |
裁判所名 | : | 熊本地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和25年 (行) 3 |
裁判結果 | : | 却下 |
出典 | : | 労働民例集2巻3号399頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇予告と除外認定-除外認定と抗告訴訟・不服審査〕 原告等の本訴は要するに被告(八代労働基準監督署長)が昭和二十四年三月三日附を以て訴外A株式会社に対し、同会社と原告等間の労働関係につき、昭和二十三年六月一日解雇予告がなされたものと認め、同年六月八日以降同月末日迄平均賃金の支払をなすよう指示したのは違法であるから、右指示の取消を求めるというにあつて、被告が右のような指示をなしたことは当事者間に争のないところであるがもともと労働基準監督署長は行政処分を以て直接使用者及び労働者間の雇傭関係を消滅せしめ、又は使用者に対して賃金支払義務を負担せしめるような権限はこれを有しないのであつて、弁論の全趣旨によれば、被告のなした右指示は、被告が原告等と右訴外会社間の労働関係についての紛争を解決する為になした勧告行為にすぎないとみるべきもので、このような行為は何等直接国民の権利義務に影響を及ぼすような具体的法律効果を発生せしめるものではなく、本来行政処分としての性質を有しないのであるから、本件については抗告訴訟の対象となるべき行政処分は存在しないといわなければならない。 |