ID番号 | : | 05316 |
事件名 | : | 解雇無効確認請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 名古屋市事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 業務上の都合によるとの理由でなされた市の従業員に対する解雇が有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 就業規則所定の解雇事由の意義 |
裁判年月日 | : | 1951年11月1日 |
裁判所名 | : | 名古屋地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和24年 (ワ) 561 |
裁判結果 | : | 棄却 |
出典 | : | 労働民例集2巻5号602頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-就業規則所定の解雇事由の意義〕 原告両名が被告よりその主張の日にその主張のような解雇の通知をうけたことは当事者間に争いなく、原告は右解雇は被告とA労働組合との間に締結せられていた労働協約のクローズド・シヨツプ協定にもとずき、原告両名が組合より除名せられた故になされたものであると主張し、被告はこれを争うからこの点について検討しよう。公文書であり真正に成立したものと認められる乙第三号証の一、二によれば、昭和二十三年七月二十二日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官の書簡にもとずく昭和二十三年政令第二百一号により公務員の労働運動が禁止され、そのため従来の労働協約は失効し被告よりその旨A労働組合宛に通告したことが明かであるから、右労働協約は原告両名の解雇当時すでに失効していたものといわねばならず、従つて右労働協約が当時有効に存在していたことを前提とし本件解雇が右協約の条項によつて為されたとの原告の主張はとうてい首肯できないのみならず、却つて公文書であり真正に成立したものと認められる乙第一号証(就業規程)と本件弁論の全趣旨を総合すれば、原告両名に対する本件解雇は被告名古屋市交通局の就業規程所定の「業務上の都合によるとき」を適用してなされたものであることが認められる。原告は、これに対し、理由を示さない解雇は無効であると主張するが、およそ私法上の雇傭契約においてすら解雇は一応雇傭主の自由に任され理由を告げる必要はないのであるから、前記のごとく行政処分である本件解雇が理由を示さず一方的になされたものであつても、直ちにこれを無効ということはできず原告の右主張は採用し得ない。以上のような訳で、本件解雇は被告名古屋市交通局の従業員就業規程にもとずき為されたものであり、右解雇処分については他にこれを無効と解すべき特段の事由は認められないから、右解雇処分の効力を争いその無効確認を求める原告等の請求はとうてい是認できない。よつて原告等の本訴請求をいずれも失当として棄却する。 |