ID番号 | : | 05370 |
事件名 | : | 地位保全仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 東亜電波工業事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 配置転換を不服とする研究所研究員が無断欠勤をつづけ、労働協約所定の休職期間満了による解雇の事例につき、権利の濫用にあたらず有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 民法1条3項 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇事由 / 業務命令違反 解雇(民事) / 解雇権の濫用 |
裁判年月日 | : | 1964年2月13日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 決定 |
事件番号 | : | 昭和36年 (ヨ) 2186 |
裁判結果 | : | 申請却下 |
出典 | : | タイムズ157号157頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇事由-業務命令違反〕 しかしながら本件解雇等が申請人の配置転換の拒否自体を動機として行なわれたものと認めるべき疎明もなく、また右配置転換が申請人主張のような不当労働行為の意図の下になされたものと認めるに足りる疎明もない(申請人及びAの組合役職についてさえ明らかでない。)。本件解雇等が右配置転換を拒否した後の申請人の無断欠勤を理由としてなされたものであること、右配置転換が被申請会社の業務上の理由に基づくものであつたことは、既に述べたとおりである。従つて、この点に関する申請人の主張は理由がない。 〔解雇-解雇権の濫用〕 しかし、申請人主張の事実を認めるに足りる疎明はなく、かえつて疎明によれば、被申請会社は、申請人が無断欠勤をした昭和三六年三月二日以降、申請人との連絡につとめたが、遂にその所在を知ることができず、前記のとおり本件休職の処分をしたところ、同年五月上旬から申請人が数回被申請会社に来たことがあつたので、その都度、申請人の直属上司である研究部長が申請人に対し、勤務の意思があるかどうかを確め、申請人において勤務の意思があるならは、本件休職を取消して申請人の復職を認める態度を示したのに、いつも申請人はこれに答えることなく立去り、勤務に服そうとはしなかつたので、被申請会社は本件休職の期間満了を待つて、本件解雇に及んだものであることが認められ、この認定の経緯に徴すれば、本件解雇をもつて解雇権の濫用と断ずることはできない。従つて、この点に関する申請人の主張も理由がない。 |