ID番号 | : | 05371 |
事件名 | : | 地位確認、損害賠償等請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 茨城県教育委員会事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働委員会における和解成立の九年後の懲戒免職あるいは休職処分の無効を主張したことにつき、信義則上許されないとされた事例。 |
参照法条 | : | 民法1条2項 労働基準法2章 |
体系項目 | : | 解雇(民事) / 解雇の承認・失効 |
裁判年月日 | : | 1964年2月18日 |
裁判所名 | : | 水戸地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和34年 (行) 16 |
裁判結果 | : | 却下・棄却 |
出典 | : | 行裁例集15巻2号289頁/時報369号45頁/教職員人事判例3号238頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔解雇-解雇の承認・失効〕 一、以上のとおり、 (1)、原告ら六名は、本件懲戒免職処分および休職処分が不当労働行為であるとして、茨城県地方労働委員会に対して救済申立をしていたところ、同委員会において和解が成立して、右不当労働行為救済申立事件が円満終了したこと。 (2)、右和解の内容として取り決められていた、原告らの裁判所に対する提訴の取下、任意退職の場合の退職手当に相当する額の授受(但し、原告Xを除く。)が、滞りなく行われていること。 (3)、右和解は、表現形式こそ懲戒解雇処分を前提としているけれども、実質的にみると、依願退職の承認と理解できること。 (4)、原告Xについての和解も、同原告は、本件休職処分を、認めてもうその効力を争わないという合意を含むものと理解できること。 (5)、原告Xは、休職期間中給与の三分の一を異議なく受領し、一年の休職期間満了とともに法定の退職手当、一時恩給を同じく異議なく受領していること。 (6)、その他、右和解の成立に至るいきさつ。 (7)、昭和三四年一一月の本訴提起 本件処分について効力が争われないまま日時が経過したところ、九ケ年以上の後である昭和三四年一一月一一日に至り本件訴が提起(この点については記録上明らかである。)された。 二、以上の事実を総合するとき、このような事情のもとにおいては、原告らは、もはや本件各処分に対してその効力を争い無効を主張することは信義則上許されないと解すべきである。本件各懲戒免職処分および休職処分無効確認請求は、その余の点について判断するまでもなく、理由がない。 |