ID番号 | : | 05416 |
事件名 | : | 損害賠償請求事件 |
いわゆる事件名 | : | 島屋商事事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 労働基準法七五条、七六条に基づいて被害労働者の治療費、休業中の給料等を支出した使用者は、不法行為をした第三者に対して賠償を請求できるとされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法75条 労働基準法76条 民法416条 民法709条 |
体系項目 | : | 労災補償・労災保険 / 損害賠償等との関係 / 労基法との関係 |
裁判年月日 | : | 1965年7月9日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和38年 (ワ) 10348 |
裁判結果 | : | 一部認容 |
出典 | : | タイムズ180号141頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | |
判決理由 | : | 〔労災補償・労災保険-損害賠償等との関係-労基法との関係〕 原告Xは原告会社の従業員として原告会社の業務に従事中本件事故にあつたものであること、原告会社は原告Xの入院治療費、付添看護婦料および付添人用ふとん借料金として原告主張の金二六五、三三九円を下らない金額を支出したことが認められ、その後労災保険から給付のあつた療養補償金一四二、一四二円を原告会社が受領したことは当事者間に争いがない。してみれば原告会社が右両者の差額金一二三、一九七円の損失をこうむつたことは明らかである。 〔中略〕 同原告は本件事故のため昭和三七年三月八日から同年八月末日まで原告会社における労務の提供ができなかつたが、その間原告会社は同年三、四月分として所定給料月額一六、〇〇〇円の各金額、五月ないし八月分として各その半額、さらに夏季手当として金一〇、〇〇〇円合計金七四、〇〇〇円を支払つたことが認められる(これ以上の給料を支払つたことを認むべき証拠はない)。そうだとすれば原告会社は、同年三月中労務提供のあつた日数相当分として原告の自認する金五、三三四円ならびに労災保険から給付され原告会社の損害填補にあてられた休業補償金二六、九〇四円(この点は当事者間に争いがない)を前記支払額から控除した残額金四一、七六二円に相当する損失をこうむつたということができる。 原告会社の右(1)(2)の支出が労働基準法七五条、七六条ないし社内規約に基づくものであることは<証拠>によつて明らかであるから、かかる場合原告会社は前記損失の限度において被告に対しその賠償を求めることができると解すべきである。 |