ID番号 | : | 05426 |
事件名 | : | 仮処分申請事件 |
いわゆる事件名 | : | 新田交通事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 二カ月の試用期間中の者に対する解雇につき、使用者が不適格と判断したときは、それが不合理なものでない限り解雇できるとし、乗車拒否等を理由とするタクシー運転手の解雇が有効とされた事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法21条 |
体系項目 | : | 労働契約(民事) / 試用期間 / 法的性質 労働契約(民事) / 試用期間 / 本採用拒否・解雇 |
裁判年月日 | : | 1965年10月29日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和38年 (ヨ) 2114 |
裁判結果 | : | 申請棄却 |
出典 | : | 労働民例集16巻5号776頁/時報433号51頁/タイムズ185号123頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 山口浩一郎・月刊労働問題93号132頁 |
判決理由 | : | 〔労働契約-試用期間-法的性質〕 以上の事実から推せば、会社が二箇月の試傭期間を就業規則に定めた趣旨は、その期間中に新規に雇入れた者につき従業員としての適性を審査した上、適格者だけを本採用しようとする目的にいでたものであり、従つて、若し試傭期間中不適格と判断される者があるときは、その判断が不合理なものでない限り会社は本採用者の解雇に適用される就業規則の定め(就業規則一一、一二、二五、二六条等参照)如何に拘らず、これを有効に解雇できるものと解するのが相当であつて、申請人もこれを容認して会社との間に期間の定めなき雇傭契約を結んだものと認めるのが相当である。〔労働契約-試用期間-本採用拒否・解雇〕 以上 〔中略〕 本件解雇は、申請人主張のような労働組合結成準備など労働組合活動の故になされたものと解すべきではなく、申請人が、試傭期間中、前記3のように粗暴な放言をしたり、軽卒な発言により同僚多数の反感を買う等非協調性を明らかに示す行為があつたため、会社は申請人を従業員として不適格と判断し、本件解雇に及んだものと認めるのが相当であり、しかも、前に認定した会社の業種、従業員数等を参酌すれば、会社の右判断は必ずしも不合理とはいい難い。それ故、本件解雇は不当労働行為に該当せず、また、試傭期間中の解雇として何ら解雇権のらん用とは認め難いから本件解雇を無効であるという申請人の主張は遂にこれを採用することができない。 |