ID番号 | : | 05427 |
事件名 | : | 仮処分控訴事件 |
いわゆる事件名 | : | 西日本新聞社事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | ロックアウトによる賃金支払義務の免除の可否につき、本件ロックアウトは正当として右賃金支払請求を棄却した原判決が維持された事例。 |
参照法条 | : | 民法536条2項 労働組合法7条 |
体系項目 | : | 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / ロックアウトと賃金請求権 |
裁判年月日 | : | 1965年11月1日 |
裁判所名 | : | 福岡高 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和40年 (ネ) 17 |
裁判結果 | : | 控訴棄却 |
出典 | : | 労働民例集16巻6号819頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 千種達夫・労働経済判例速報565号27頁 |
判決理由 | : | 〔賃金-賃金請求権の発生-ロックアウトと賃金請求権〕 三、控訴人らは、本件ロツクアウトを境としてA労組合員の脱退者が急激に増加しているのであるが、これこそ、本件ロツクアウトがA労を切り崩すための手段であることの証左であり不当労働行為である旨強調する。しかしながら、ストライキというものは、労働者が労働力を売り止めすることによつて使用者に対し、経済的、心理的な影響を与え、もつて労働力がいかに高価であるかを思い知らせるものであり、ロツクアウトは、これらのストライキに対抗して使用者が労働力の受領を拒否し、合法的に賃金支払義務を免れるために使用者に是認された権利であり、ストライキと同様の社会的機能を営ましめるものである以上は、ロツクアウトによつて組合員が賃金請求権を失うことによつて生活に困窮し、また組合の団結に心理的影響を及ぼしたからといつても、それはけだしやむを得ないことというべきである。 第四、しかして本件ロツクアウトが必ずしも違法と断じがたいことは前記したとおりであり、かつ組合からストライキの解除、就労の申入れがあつたとしても、ストライキの中止、平常業務の開始、団交による平和解決の見とおしのない場合には、正当に開始されたロツクアウトが違法となるものとは解しがたく、本件ロツクアウト継続が不当でないとする点は、当裁判所も原審と見解を同じくするものであるから、次の点を削除、訂正、附加するほか、原判決の理由(原判決三五枚目裏一一行目から同三六枚目裏一行目(注、本書八九四ページ七行目から一四行目)まで)を引用する。 原判決三五枚目裏一一行目の「現在尚」の部分を削除し、これを「昭和三九年一二月二九日まで」と訂正し、同三六枚目表一一行目(注、同上ページ一三行目)の「される。」の次に「原審ならびに当審における疏明資料中叙上認定に反する部分は措信しがたい。」を附加し、同三六枚目表末行(注、同上ページ一四行目)の「現在まで」の部分を削除し、これを「昭和三九年一二月二九日の争議妥結に至るまで」と訂正し、同三六枚目裏一行目の「する」の部分を削除し、これを「していた」と訂正する。 |