全 情 報

ID番号 05480
事件名 慰謝料請求事件
いわゆる事件名 都立衛生研究所事件
争点
事案概要  衛生検査職に従事していた都の職員をICP室およびマイコン室に配置換えされたことを理由とする損害賠償請求につき、右配置換は人事委員会の同意を必要とする転職にはあたらず、裁量権を逸脱していないとして請求が棄却された事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の濫用
裁判年月日 1990年10月12日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和60年 (ワ) 14602 
裁判結果 棄却
出典 労働判例572号54頁/判例地方自治83号32頁
審級関係 上告審/06320/最高一小/平 3.10.24/平成3年(オ)1362号
評釈論文 新谷真人・労働法律旬報1273号31頁1991年10月10日
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の濫用〕
 マイコン室での原告の具体的職務は、前記のような単純作業であり、原告ひとりマイコン室に配属された点は、それ以前にそのような配置がなされたことがないことからみても、通常の配置替えとは言い難いが、前記認定の原告の配置替えに至る経過、すなわち、食肉魚介細菌室で他の職員との人間関係が悪化等していたこと、コンピュ-タ-操作法修得の研修が打ち切られたこと及び原告を受け入れる意向のある研究部・科がなかったこと、中央機器室の人員配置とその職務内容並びに原告が調査研究業務を行うことが可能であったこと等に照らすと、マイコン室への配置替えがその必要性、合理性を欠くものと認めることはできない。
 したがって、マイコン室への配置替えが被告の裁量権を逸脱した違法なものということはできないから、原告の主張は理由がない。