ID番号 | : | 05488 |
事件名 | : | 退職金請求事件 |
いわゆる事件名 | : | アイ・ビイ・アイ事件 |
争点 | : | |
事案概要 | : | 出向者の退職金につき、本件では出向元会社に支払い責任ありとし、自己都合退職による金額の支払いが命ぜられた事例。 出向元会社の復帰要請に応じなかった出向労働者につき、出向元会社が出向先会社を営業譲渡して経営から手をひくことを承知しており、営業譲渡の日をもって出向元会社を退職する意思表示をしたと解された事例。 |
参照法条 | : | 労働基準法2章 労働基準法79条1号3の2号 民法625条 |
体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 出向中の労働関係 配転・出向・転籍・派遣 / 復帰命令 賃金(民事) / 退職金 / 退職金請求権および支給規程の解釈・計算 退職 / 合意解約 |
裁判年月日 | : | 1990年10月26日 |
裁判所名 | : | 東京地 |
裁判形式 | : | 判決 |
事件番号 | : | 昭和63年 (ワ) 2791 |
裁判結果 | : | 一部認容,一部棄却 |
出典 | : | 労働判例574号41頁/労経速報1417号3頁 |
審級関係 | : | |
評釈論文 | : | 小俣勝治・季刊労働法159号195~196頁1991年5月 |
判決理由 | : | 〔賃金-退職金-退職金請求権および支給規程の解釈・計算〕 右合弁契約書の規定は、A会社に出向した者の退職金の計算方法、その最終的な負担者及びその割合を定めたものに過ぎず、退職した者に対する退職金の支給義務者を定めたものではないことが認められるうえ、原告本人尋問の結果、被告代表者尋問の結果中の被告代表者自身原告が被告に請求してくるかもしれないとの認識もあったとの部分に対比すると、被告代表者尋問の結果中前記原告と被告との合意に関する部分は採用することができない。 したがって、原告は、被告の退職金規定に基づき、被告に対し退職金を請求することができる。 〔配転・出向・転籍・派遣-出向中の労働関係〕 〔配転・出向・転籍・派遣-復帰命令〕 〔退職-合意解約〕 2 〔中略〕 原告は被告に解雇されたものとは認められず、原告は、昭和六二年三月三一日をもって出向元の被告が出向先のA会社の経営から手をひくことを承知のうえ、被告からの復帰の誘いにも応じようとせず、社会保険の関係では使用主をA会社とする手続きを取り、右同日以降もA会社において仕事をすることとして、右同日をもって被告を任意退職する意志を黙示的に表示したものというべきである。 3 したがって、原告の退職金額の算定については、被告の退職金規定における自己都合による退職の場合の支給基準率が適用され、次のとおり四五六万八○○○円(1○○○円未満切上げ)となる。 四・七+(五・四-四・七)×八÷一二=五・一六七 八八万四○○○×五・一六七=四五六万八○○○ |